ロイターによると、フレッシュ&イージーは、商品のお値打ちに焦点をあて、在庫アイテムも、現在の3,500に1,000アイテム追加すると発表している。同社はこの変更をEvolutionと呼んでおり、意気込みを感じさせる。テスコ社広報のジョナサン・チャーチ氏によると、これはフレッシュ&イージーの店舗コンセプトを変えるのではなく、微調整だと述べている。1年半前にアメリカに進出したテスコは、当初、調理済み食品と生鮮食品を、大型のスーパーマーケットの店舗が少ない地域で、便利な小型店にて提供するというコンセプトだった。しかし競争の激しい西海岸では、このコンセプトが難しく、折からの景気後退も逆風となった。新しく加えられる商品には、キッシュ、ピタ・チップ、グルメ・ハンバーガー・バン、PBであるマザーズ・ジョイ・シリアル、NBのグエレロ・トルティアなどが含まれる。先月アメリカ部門の2.2億ドルのぼる損失を発表した同社は、予定していた北カリフォルニアなどの店舗開店を遅らしている。果たしてこの追加アイテムが、新規顧客開拓又は客単価向上に貢献するのか、それともシンプルでスッキリ(し過ぎた?)した店舗が煩雑になるだけなのか、動向を見守りたい。
ーーーーーーーーーー
ロサンゼルス・タイムズによると、失業率が高く景気後退の影響をより多く受けている南カリフォルニアの、222カ所のアルバートソンズで、数千の商品売価を下げるそうである。景気後退後、価格訴求の強くなった消費者は、グロサリーの買い物を、スーパーマーケットから他の販売チャンネルであるスーパーセンターやディスカウント・ストアに広げている。このトレンドに対抗するため、ボンズやラルフスは、ロヤリティー・プログラムなどを利用した値下げ、EDLPのステーター・ブラザースは売価のさらなる値下げなどで対抗している。これらの動きに対して、アルバートソンズも遅まきながら値下げに踏み切ったわけである。最近のFMIの調査では、顧客がグロサリーの買い物するときに店舗選ぶ理由では、価格が一番となっている。また、食品の買い物に選ばれる主要店舗として、スーパーマーケットを選んだ人達は56%で、これは昨年度の調査結果である60%から下がってきており、倉庫型店舗やディスカウンターを選んだ人達は39%と昨年の34%から増加している。こういった環境下で、価格イメージの向上を目的に、アルバートソンズは、“ザ・ビッグ・リリーフ・プライス・カット:(消費者にとって)とても助かる値下げ”と名付けられた値下げを発表したのである。値下げは、多くのカテゴリーに渡って数千の商品で行われる。例えばベスト・フーズのマヨネーズは$4.99から$3.99へ、ラグー・パスタ・ソースは$3.69かr$1.88へ、ホームライフ・バス・ティッシュ$8.99から$5.99へと値下げされ、商品は食品から洗剤まで多岐にわたる。このニュースを読んで、南カリフォルニアのアルバートソンズの前身を思い出した。
最近また復活している店名で、ラッキーという南カリフォルニアのスーパーマーケット・チェーンが現在のアルバートソンズの店舗の多くを占めており、そのラッキーが以前(多分80年代初め)、よくバスケット価格比較を店舗の入り口でやっていた。外部の調査会社に委託し、100ドルほどのグロサリーをラルフス、ボンズ、セーフウェーなどで購入して、その総額のレシートと商品を買い物カートにいれて陳列し価格比較していたのである。毎週行われていたキャンペーンで、勿論、ラッキーが一番安かったのだが、一度だけ2番目だった事もあったのを憶えている。南カリフォルニアのアルバートソンズはその原点に戻ったと云う事かもしれない。
3件のフィードバック
[…] さて、今週の木曜日には主要チェーンの5月の売上が発表されるが、トムソン・ロイターの予測では、—3.6%になるそうである。30社の調査では、8社だけが既存店売上の増加が予測されており、全体としては低調である。消費者の自信度は高まってきているが、買い物となるとバーゲン探しが多くなっており、衝動買いが減ってきている。しかしこのマイナス成長は、今年の平均であるー4.5%よりは向上している。5月からは、加重平均で50%を占めていたウォルマートが、既存店売上の発表を止めるため、平均値は逆に正確に市場動向を反映するものと予測されている。業界全体では、百貨店などハイエンド・チェーンは売上を落とし、お値打ちチェーンであるTJマックスなどは健闘したようだ。ロイター ーーーーーーーーーー ドラッグ・ストア・チェーン大手のウォルグリーンズが5月の売上状況を発表している。既存店売上は1%増加、そのうち調剤は1.5%の増加、フロント・エンド商品は0.2%の増加だった。しかし、これはジェネリック調剤の販売が増えていることが要因となっており、処方箋の扱い数は既存店ベースで2.8%増加しており、市場シェアを伸ばしている事を示している。同社は5月末で、前年度より605箇所多い6,857箇所の店舗を展開している。ロイター ーーーーーーーーーー 先日リポートした、フレッシュ&イージーの品揃え拡大が、電子メールで宣伝されている。1,000アイテム以上の、ナショナル・ブランド・シリアルや清掃商品、健康美容商品、大型パックのお値打ち価格などが宣伝されており、これまでのPB中心の品揃えからの転換を示唆している。また、30ドル購入すると6ドル値引きの20%割引クーポンも復活している。 […]
[…] クローガーと対象的なものとなるが、それぞれ業界大手の、スーパーバリュー社傘下アルバートソンズとセーフウェーは、クローガーに比べて一般的に売価が高いと云われている。その […]
[…] 食品卸しとスーパーマーケット・チェーンを展開するスーパーバリュー社は、6月20日で終わった2010年度第1四半期の業績を発表した。売上は4.7%減少して127億ドル、利益は30%下がって1億1300万ドルとなった。小売の売上は、前年度より4.3%減少して99億ドル、既存店売上では3.2%の減少となった。卸しの売上は6.2%減少して28億ドルとなり、これはターゲットが食品を自社配送に切り替えた事が主な原因である。小売が全体の売上に占める割合は77.9%と、昨年より0.4%増加している。粗利は22.4%と前年度より0.6%下がっており、これは売価の低下と販促価格の増加が影響している。販管費率は19.6%と、前年度と同じである。経常利益率は昨年度の3.4%から下がって2.8%となっている。2010年度の見通しでは、総売上で420億ドル、既存店売上でー3%を予測している。同社傘下のアルバートソンズの南、カリフォルニアとネバダ州の店舗では、「ビッフ・リリーフ」と名付けられた値引きをしているが、最近、調剤薬局でも、ジェネリック調剤の最低価格保証をしており、ウォルマートやターゲットの一ヶ月4ドルの価格に合わせている。 ーーーーーーーーーー スーパーマーケット・チェーンのアホールドは、第2四半期の売上が11.5%増加し64億3,000ユーロとなった発表し、これは予測の65億6,000ユーロを下回った。アメリカのオペレーションである、ストップ&ショップとジャイアント・ランドーバーは、2.8%増加して41億ドルとなり、ジャイアント・カーライルは0.4%増加して11億ドルとなった。本拠地であるオランダでは、7.8%増加して22億ユーロの売上となっている。同社は、経費削減に加えて品揃えの調整や値引きでシェアを増やしてきている。ロイター ーーーーーーーーーー ラグジュアリー・ハンドバッグの販売チェーンであるコーチは、第4四半期の業績を発表した。売上は05%減少して7億7.770万ドル、利益は32%減少して1億4,580万ドルとなった。商品粗利は、前年度の75.9%から70.4%へと下がっている。国内の既存店売上は6.1%減少したが、オンラインでの直販は3%増加、中国の店舗では2桁台の増加、日本での総売上は、為替の影響を除いて10%下がった。低迷している業績だが、今年度国内で20カ所の新店、6カ所のアウトレット店、10カ所の店舗を日本に開店予定している。また、成長地域である、中国での出店も加速されると発表されている。WSJ カテゴリー: スペシャリティー・ストア, スーパーマーケット, 流通 — admin 8:55 PM トラックバック […]