3月 22, 2010 アパレル 流通業 0

アパレル・チェーンなどを中心に、モールにある店舗スペースの縮小傾向が見られる。景気後退後、ギャップやアン・テイラーなどは、店舗の削減かスペースの縮小を計画している。1990年代には、店舗の大型化が顕著で、その分売上にも貢献してきたが、モールの平方フィート当たりの業界平均売上は、2007年に454ドルでピークに達し、2009年の割には401ドルまで下がってきており、2004年の水準に戻っている。ギャップは、1999年から2009年の間に、平方フィートの年間売上が40%下がって329ドルとなっている。バナナ・リパブリックやオールド・ネービー・チェーンを含む店舗数は同時期に2.6%増加したが、全体の売場面積は62%も増加している。同社は、これらの余剰売場スペースを削減しようとしているのである。現在平均18,000平方フィートあるギャップ店舗の売場を、最上の立地店舗を除いて、8,000から12,000平方フィートする計画である。これによって、マーチャンダイジングを効果的にしたり、ギャップ・キッズ、ギャップ・ベビーなどの違ったコンセプトが別の店舗として出店しているモールなどでは、1つ店舗内にまとめて配置することも計画されている。こういった店舗縮小や閉鎖は、家主であるモール開発会社にとってはマイナスになるが、ギャップの店舗リースは業界平均の半分の5年と短く、さらに同社は他のテナントのリース契約のコー・テナントとして含まれており(ギャップが撤退すると、これらのテナントは契約破棄又は家賃値下げが要求できる)、交渉能力が高くなっている。2009年にギャップは、売場面積を2%ほど縮小しており、今年度もさらに3%減らす予定で、近い将来10%から15%の縮小を目標としている。アン・テイラーも店舗の閉鎖や縮小をしており、1999年から2009年で、平方フィート売上が33%下がって337ドルとなっている。同社は、同期に売場面積を135%増加していた。最近は、これまでの6,000平方フィートの広さの店舗から、4,000平方フィートの小型店を中心に開店している。一方店舗数や売場面積を拡張しているチェーンもある。低価格のヤング・アパレル・チェーンであるエアロポスタルは、これまで小型の店舗を約950カ所ほど展開してきたが、そのうち170カ所では平方フィートの売上が800ドルを超えており、今後は大型化を検討すると述べている。WSJ

今日、好調な四半期の業績を発表した、ホーム・ファーニッシング・チェーンのウィリアムズ・ソノマも、先日開かれたアメリカ銀行・メリル・リンチの投資家コンフェレンスで、今後店舗のポートフォリオの最適化を図って平方フィート売上を改善すると述べている。同社は今後3年間で、店舗網の25%のリースが満期となり、電子コマースは総売上の30%を占めるにいたっている。「現在の売上で充分利益が取れるような家賃交渉が出来れば閉店はしないが、複数店展開されている地域での閉店は戦略のひとつである。実際にこのような地域で1カ所を閉店した場合は、1年目で50%の売上は他の店舗とインターネットの販売で確保出来ている。」とのCOOのシャロン・マッコラム氏は述べており、具体的な数は上げていないが、閉店の計画を示唆している。同社は、ポッタリ−・バーン、ポッタリー・バーン・キッズなどの複数のチャンネルを持っている。OCレジスター