ドラッグ・ストア・チェーン大手のウォルグリーンズは、2月28日で終わった第2四半期の業績を発表した。売上は3.1%増加して170億ドル、利益も10.5%増加して11.6億ドル、既存店売上は0.2%減少した。うちフロント・エンドの売上は1.6%の減少、調剤は0.6%の増加となり、全体の売上の63.3%を占めている。処方箋数は全体で6.0%増加しており、業界平均の3.8%増加を上回っている。結果、同社の調剤の小売シェアは、0.6%増加して18.9%となっている。粗利は0.5%増加して28.8%となっており、これは、フロント・エンド商品のマークダウンの減少が影響している。同期に、41カ所の開店し、移転や閉鎖を含めて33カ所の店舗数増加となった。今年度同社は4.5%(約340カ所)から5%(約380カ所)の店舗数拡大を計画している。CCR(顧客中心小売)イニシアチブの店舗フォーマットへの変換は、既に700カ所ほどの店舗で終わっており、今年秋までに、2,500から3,000カ所に導入される予定である。このCCRに関しては、在庫の最適化と顧客体験の改善が主なものだが、同社の業績発表のプレゼンテーションでふれていたので一部紹介する。在庫最適化に関しては、商品カテゴリーを4つに分けている。パワーと呼ばれる商品群で1番人気のあるブランド商品群、シグネチャーと呼ばれるウォルグリーンズのシェアの高い特徴的な商品群、ステープルと呼ばれる一般的に良く購入される商品群、コンプリメントと呼ばれる衝動買いや利便買いの商品群の4つで、それぞれ、パワーは11%、シグネチャーとステープルズは14%、コンプリメントは48%のSKU削減を行っている。フロント・エンド商品全体では、売上の40%にあたる150のカテゴリーのうち36のカテゴリーの棚がリセットされ、フェーシングや在庫量が調整されている。そして空いた棚スペースを、ビールとワインなど新しい商品カテゴリーに充てているのである。また、商品カテゴリーの隣接陳列方の調整、低い棚による売場の見やすさ、新しいサインや什器なども取り入れている。顧客体験においては、雰囲気、買い物のし易さ、問題解決、品揃えとお値打ちに分け、それぞれ雰囲気は、広く開放的で手入れの行き届いたクリーンな店舗、買い物のし易さでは、入退店がし易く楽しい買い物が出来る店舗、問題解決(ソリューション)では、健康、ウェルネス、美容とパーソナル・ケアに関しての問題解決ができる社員と店舗、品揃えとお値打ちに関しては、顧客のニーズとワンツスの商品をお値打ち価格で品揃えする事で、改善を図っている。これらのイニシアチブが完成すると、全社で5億ドルほどの在庫を削減、アイテム数の減少による、運営の生産性向上、在庫切れの防止、効果的な販促などが可能になるとしている。テキサス州の実験店舗と通常店舗の比較では、フロント・エンド商品売上の29%を占めるシグネチャー・カテゴリーが+5%、48%を占めるパワー・カテゴリーが+2%、17%を占めるステープル・カテゴリーが+1%、6%を占めるコンプリメント・カテゴリーが−8%となり、全体では+2%ほどの結果となった。これらの結果を踏まえて、今後は、オートやハードウェなどのカテゴリーを一部復活、エレクトロニクスなどの商品カテゴリーを増強、キャンディーなどのカテゴリーを最適化と隣接陳列を調整する。2月に発表された、ニューヨーク地域に展開されるデュエイン・リード・チェーンの買収は、今年中には終了する予定で、ウォルグリーンズに比べてフロント・エンド商品の売上比率が高い同チェーンから、今後学べる事も多いのでないかと思われる。