アパレル・チェーンの中古市場参入が増加しているが、ギャップも同業界大手のスレッドアップと提携して参入すると発表した。4月から、ギャップ傘下のギャップ、バナナ・リパブリック、アスレタ、ジェニー&ジャックなどの店舗に用意される「クリーンアウト・バッグ」に不要のアパレルを入れて渡すと、その商品に対応したクレジットがもらえ、新しい商品の購入に利用できる。
このビジネスは「Re-commerce」と呼ばれ、環境に優しいビジネスとして最近成長している。スレッドアップによると、毎秒ゴミトラック1台分の使用済みの衣料が、ゴミ焼却場かゴミ捨て場に送られており、2018年にはアメリカの成人女性の半分近い5800万人の女性が中古アパレルを購入したそうである。同社は、2019年には1億枚の衣料をリサイクルしており、87万トンの二酸化炭素排出削減に相当する。
既にメイシーズ、JCペニー、ノードストロム、J.クルー傘下のメードウェルもスレッドアップと最近提携しており、この市場の将来性に期待している。メイシーズは40ヵ所、JCペニーは30ヵ所、メードウェルは6ヵ所の中古販売のポップアップ店もテストしている。一方、ノードストロムは、自社で中古商品を扱っており、「See You Tomorrow」と呼ばれるショップを、ニューヨークに昨年末開店した旗艦店に新設、返品された商品を必要な場合は補修、洗濯して希望小売価格の50%ほどで販売している。また、中古の衣料を持ってきた顧客には、ギャップと同じ様にギフト・カードを進呈している。
コーウェン&カンパニーがまとめた昨年11月のレポートによると、中古アパレル市場は現在200億ドルと推定されているが、2022年までには330億ドルに達すると予測している。同社は、アメリカのアパレル、靴、アクセサリー市場の15%から20%は過剰在庫になっており、うち10%は廃棄か寄付されていると述べている。CNBC
環境問題と共に、過剰消費に対する反省が起こってきている。特に使用期間の短いファッションに対しては強いのだろう。