2月 23, 2020 フードサービス 流通業 0

ピザ・チェーン大手のドミノスは、12月29日で終わった第4四半期と2019年度の業績を発表した。第4四半期の国内のレストランの総売上は6.8%増加、国際部門は7.0%増加、全体では6.9%の増加となった。2019年度全体では、国内の売上が6.9%増加、国際が4.6%増加、全体では5.7%の増加だった。既存店売上は、国内直営店が3.9%増加、フランチャイズ店が3.3%増加、国内全体では3.4%増加、国際店が為替の影響を除き1.7%の増加となった。通年では国内直営店が2.8%増加、フランチャイズ店が3.2%増加、国内全体では3.2%増加、国際店は為替の影響を除き1.9%の増加だった。年度末の店舗数は、国内直営店が342 ヵ所、フランチャイズ店が5784ヵ所、国際店が10894ヵ所、チェーン全体では17020ヵ所となった。一方、純利益は11.6%増加して1億2930万ドル、1株あたりでは19.1%増加して$3.12、通年では純利益が10.7%増加して4億70万ドル、1株あたりは14.5%増加して$9.56だった。

この結果は予測を上回り同社の株が26%ほど値上がりしている。同社CEOのリッチ・アリソンは、利益率の薄い配達より、店舗でピックアップされる「キャリー・アウト」ビジネスの成長によって利益が上がったと述べている。特に最低賃金が上がっている沿岸地域では配達コストが急増している事が要因である。フード・サービス業界では、配達ビジネスの成長率が高いため、ほとんどの会社は配達に注力しているが、ドミノスでは、逆にキャリー・アウト・ビジネスにフォーカスすることで、利益を上げる事ができた。配達専門のウーバーイーツやグラブハブとの競争が激しくなってきている環境下、店舗数を増やすことで、顧客宅から近いレストランから、より速い配達を低コストで提供できると考えている。また、レストランが近くにあることで、キャリー・アウトの市場を拡大できる。最低賃金の高いニューヨークやカリフォルニアでは尚更である。ドミノは、25000ヵ所のレストラン展開を目標としている。CNBC

フード・サービスの配達では、ピザ・チェーンは配達専門の会社ができる前からやっており、客単価の高い配達は利益源となっていた。これが、配達専門会社の出現によって競争にさらされ配達費を下げる事となり、配達にかかる人件費の高騰と共に利益率を圧迫しているのである。