3月 1, 2021 ディスカウント・ストア 流通業 3

ウォルマートが昨年5月から始めた2時間以内のエクスプレス・デリバリーは、既に3000ヵ所近くのウォルマート店舗から提供されているが、このサービスに必要だった最低購入額$35を3月1日から撤廃すると発表した。利用客の声を反映したもので、すぐに必要とする食材やオムツなどでは、多くの場合最低購入額に満たないとの顧客の不満を解消する。このサービスは、通常の配達料$7.95か$9.95に$10のサービス料が加えられるが、商品の売価は店舗と同じとなる。また、配達費は、ウォルマート+に加入すると、年額$98または月額$12.95の定額となり、エクスプレス配達の費用$10だけが加えられる。ただし、他のカーブサイド・ピックアップ、通常の配達利用、ウォルマート+の定額配達は、これまで通り$35の最低購入額対象となる。

エクスプレス・デリバリーを利用する顧客は、ウォルマート+に加入している顧客と同様、同社のターゲット顧客より所得の高い層が多い。配達時間を支払額より重要視する彼らにとっても、必要のない商品を購入しなければならない不便さがサービス利用の障害となっていると思われる。店舗には17万のショッパーが働いており、数アイテムのエクスプレス注文の追加は生産性を落とさず顧客にサービスできる体制で、$10のチャージで充分なのだろう。