6月 5, 2022 アパレル オフ・プライス・ストア ディスカウント・ストア デパートメント・ストア 流通業 0

パンデミック終焉の兆しと、夏のバケーション・シーズンを迎えるにあたり、消費者の衣料品購入傾向がカジュアルからフォーマルに変わりつつある。しかし、多くの衣料品小売業では、在庫調整が間に合わず、過剰在庫を抱え値引き販売を余儀なくさせられている。昨年始まった消費の増加とサプライ・チェーン問題によって、小売業の多くは通常以上の在庫によって対応した結果である。最近四半期業績を発表したギャップは、総売上が前年比13%下がり損失は2億ドル足らず、在庫額は34%増加し、粗利は9.3%下がって31.5%だったと発表している。好調な四半期業績を発表したメイシーズでさえ、在庫は前年比で17%増えており、今後在庫一掃販売によって利益を圧迫するだろうと述べている。ディスカウント・ストア大手のウォルマートでは、中心顧客である中流以下の世帯が、インフレーションによって食品など必需品の購買シェアが上がった結果、アパレルなどの過剰在庫が増えたと述べている。現在の在庫の20%は今後2四半期ほどで処分される事になる。アパレル・チェーンのアメリカン・イーグル・アウトフィッターズ、アーバン・アウトフィッターズも過剰在庫が増えており、値引き販売の増加を予測している。

これらの問題は、サプライ・チェーンの遅延による影響が大きく、中国やベトナムなど国外からの仕入れが多い小売業は、昨年からリードタイムを長くして在庫不足に備えていた。加えて、注文商品の入荷の遅延も多く、季節に間に合わなかった過剰在庫も少なくない。ギャップやコールス百貨店などでは、昨年の在庫を今年の年末商戦まで保留し、無理な値引き販売を避ける計画である。これは、オフ・プライス・アパレル・チェーンであるTJマックスなどが、これまで行ってきた戦略だが、今年は多くの小売業で行われる様である。WSJ

この傾向には例外もあり、特に富裕層をターゲットしているチェーンである、ルルレモンリーバイスノードストロム百貨店、メイシーズの傘下ブルミンデールなどでは問題になっていない。ただ、サプライ・チェーンの問題はまだ解決したわけではなく、今後も小売業各社のソーシング戦略に対する影響は大きいと思われる。