7月 3, 2022 オンライン・リーテイラー 流通業 0

先月末に開かれた、Amazonのテクノロジー・コンフェレンスであるre:MARSで、話題となった6つのキー・テーク・アウェイが紹介されている。1番目がベリー・スマート・ホームで、AIのアレクサによるインターフェースが進み、スマート・ホーム機器利用の30%はアレクサによって開始されているそうである。2番目は職場でのロボット活用で、同社の施設で使われている様々なロボットが紹介されている。3番目はウェアラブル・ロボティックス(装着可能なロボット工学)で、体に装着し動作を補助するロボットである。例えば足に付けられる歩行補助ロボットは、歩行が困難な身障者が利用することで、通常の歩行が可能になる。「600万ドルの男」の実現も近いかも知れない。4番目はホーム・ロボットで、昨秋お目見したAmazonのアストロは、家の中を動き回ってスナックを運んだり、エコー・ショーのモバイル版の役目も行う。5番目は宇宙に行くアレクサで、NASAのアルテミス1のミッション(女性と有色人種による初めての月面探検)にアレクサが、言語による通信の役目を担う。MARSでは、宇宙船の模型が設置され、疑似の操作を披露した。6番目が買物に関わるAIで、ジャスト・ウォーク・アウトを使った疑似店が会場に造られ入場者にキャッシャー・レスの買物の雰囲気を経験させた。

Amazon Just Walk Out store mock-up at MARS

テクノロジーの進歩は凄まじいが、それだけでは人間を幸せには出来ない。人間とのインターフェースをいかにフリクション・レスで実現できるが鍵となる。最近普及しているスマホのアプリにしても、使い勝手で利用率が左右され、人間の心理や思考プロセスを考慮して設計する必要がある。筆者のアイフォンには、数えてみたら267のアプリが入っていた。毎日使うのは多分10%くらいだろうが、使い勝手の悪いアプリはほとんど使わず、削除することも多い。アプリ開発は、その機能だけでなくいかに消費者のスマホ上に維持され、実際使われるかどうかが大切なのである。