家電小売大手のベスト・バイは、今年度後半の業績が、昨年度に比べ下がるとの予測を発表した。同社CEOのコリー・バリーは、国の補助金などで需要が増えた昨年に比べ、今年の家電業界は多少落ち込むと述べている。続くインフレーションが消費者心理に影響しており、家電に対する需要を下げているため、既に5月に下方修正した2023年度第2四半期の業績予測をさらに下げ、既存店売上は19.6%増加した昨年と比べ13%減少、総売上はパンデミック前の2020年第2四半期と比べ7.5%ほど増加すると予測している。マクロ環境が不透明な現状で、今後も長期的な成長を目指したイニシアチブを進めると結んでいる。同社CFOのマット・ビリウネスは、2023年度全体では既存店売上が11%ほど減少するだろうと述べている。同期の業績発表は8月30日に予定されている。

同社は今年3月に、今後の成長戦略として、フィットネス&ウェルネスなどの新しい商品カテゴリーの拡大、電気バイクやスクーターなどパーソナル・エレクトリック・トランポーテーション、アウトドア用品の強化をあげているが、これらの商品カテゴリーの需要は下がってきており、今後見直しが必要になるだろう。多くの大手小売業が業績見直しをしており、今年後半は小売業界にとって挑戦の多い年になりそうである。逆に、これらはインフレーションを抑える要因となるため、消費者にとっては多少助けになるかも知れない。