テクノロジー業界の不振が続いており、銀行にまで波及している。シリコンバレー銀行の破綻は一つの転機となり、今後、金融業界に大きな影響を与えると予想される。同行はサンフランシスコ地域の求め易い住宅建設などにも投資しており、一部のプロジェクトの停止も報じられている。リーマン・ブラザース破綻で始まった、2007/2008年の金融危機は、主にサブプライム住宅ローンの返済不能が要因だが、今回も低金利による住宅バブルも起こっており、問題が拡大する可能性が無くはない。
リーマン・ショック時の小売業の倒産を検索してみたら、ニューヨーク・タイムスの2008年4月の記事が見つかった。主なところでは、家具のレビッツ、アイデア・グッズのシャーパー・イメージ、家庭雑貨のリネンズ‘Nシングスなどの倒産があげられている。倒産しなかったところでも、リストラで店舗閉鎖したところは少なくなく、フット・ロッカー、アン・テイラー、宝飾のゼールスなどが数百店の閉鎖を行なっている。
今回、危なくなっているのはベッド、バス&ビヨンド、パーティー・シティ、ジョアン、チューズデー・モーニング(倒産申請済み)、ダラー・ジェネラル、マットレス・ファーム、ライト・エイド、ザ・ギャップ、コールスなどが、ビジネス関連の情報サイトであるJDSUPRAによってあげられている。
勿論、多くの企業はリストラで会社更生されるが、一部は清算となる。ただ、今後インフレーションなどによる景気後退が起こると、さらに悪化する可能性もある。歴史は繰り返されるというが、実際には全く同じ事が起こるのではなく、その時点での環境によって螺旋状に変貌していく場合が多い。幸いな事に、最近小売業大手を中心に、経営見直しを進めているところが多く、以前に比べて経営能力の高いサビーな経営者が増えている様である。