5月 20, 2023 ディスカウント・ストア 流通業 0

先日、第1四半期の好調な業績を発表したウォルマートは、投資家とのコンフェレンスで、詳細をいくつか述べているので紹介したい。先ず、生活必需品の売上伸長について、グローサリーなど生活必需品の売上シェアが拡大して粗利を下げたが、実際、売上ミックスの3.6%がジェネラル・マーチャンダイズからシフトしたそうである。この傾向はあげ止まりではなく、今年後半にも続くと予想され、通年の業績予測に反映されている。四半期のカテゴリー別の売上状況は、食品と消耗品が2桁台前半で増加、ジェネラル・マーチャンダイズは1桁の中間で減少した。電子コマースのマーケットプレイスのセラーが増加しており、昨年度末で4億アイテムほどとなっている。セラー数も増加しており、フルフィルメント・サービスの利用は倍増した。また、セラーによる宣伝広告収入が増えており、世界で30%、国内では40%弱増加した。一方、サムズ・クラブでは、メーカーによる宣伝広告が増加しており、広告主数は2桁台で増加、うちアクティブ広告主は倍増した。会員数は過去3年で30%増え、ミレニアルおよびZ世代の会員が増えている。会員の半分はオンライン・ピックアップ/配達を利用しており、利用していない会員より購入額が多く、購入頻度も高くなっている。

ジェネラル・マーチャンダイズ売場を改善した店舗をテストしており、売上が2%ほど増える好結果となっている。既にアーカンソーと北東地域で20ヵ所が改装され、いずれ300ヵ所ほどに拡大する。これらの店舗には、アパレルやホームのブランドの店舗内店舗も造られ、顧客から高い評価を得ている。

商務省国勢調査局の発表している小売売上高では、2月から4月となる第1四半期のオンライン販売額は、前年比で8%増加しており、ウォルマートの27%増加はそれを大きく上回っている。ウォルマートのオンライン・グローサリー、プラス会員、マーケットプレイス拡大は、貢献度が高い様である。また、ジェネラル・マーチャンダイズの店舗の売場拡大は、店舗でのフルフィルメント率をあげ、近隣店舗から速い配達が可能となり、配達経費の節減にもなる。