5月 28, 2023 オンライン・リーテイラー ダラー・ストア.チェーン ディスカウント・ストア 流通業 0

支払い関連の情報やニュースを提供している「ペイメンツ・コム:Pymnts.com」は、4月に行われた2,700人ほどの消費者を対象にした調査で、アマゾンのプライム会員は回答者全体の61%が加入、ウォルマート+は26%が加入しているとの結果を発表している。一方、どちらにも加入していない消費者は35%で、大部分の消費者は会員の特典を利用している。特にCPGの商品などセンター・ストアと呼ばれる商品カテゴリーでは、プライム会員に提供されるサブスクライブ&セーブ(定期購入に対する割引)は、42%の消費者によって利用されている。アマゾンCEOのアンディ・ジェシーは、通常のスーパーマーケットが3万アイテムを在庫しているこれらの商品を、アマゾンでは300万アイテム扱っていると、年次レポートの中で述べている。リアル店舗だけの食品小売にとってはかなり不利になるため、インスタカートなどと提携したオンライン販売を模索しているところもある。また、大手のクローガーでは、無制限の定額配達サービスであるブーストの年会費を安く設定($59+)することで顧客にアピールしている。

最近、グローサリー無料配達の最低購入額を$150に引き上げたアマゾンだが、まだ充分競争力はある様である。

ダラー・ストア・チェーン大手のダラー・ツリーは、4月29日で終わった2023年度の第1四半期の業績を発表した。

ダラー・ツリー 2023年度第1四半期前年比増減
総売上$7,319.5+6.1%
総収入$7,323.8+6.1%
営業利益$419.7-42.6%
純利利益$299.0-44.3%
1株あたり利益$1.35-42.9%
単位:100万ドル、1株あたり除く

既存店売上は、ダラー・ツリーで前年比3.4%増加、ファミリー・ダラーで6.6%増加、全社では4.8%の増加となった。既存店客数では、ダラー・ツリーで5.5%、ファミリー・ダラーで4.3%増加した。CEOのリック・ドレイリングは、「市場シェアが増加しており堅調な業績結果だが、業界全体の問題であるシュリンケージ増加や、生活必需品の購買比率の上昇などの影響を受けており、今後も続くだろう」と述べている。

今期の店舗関連投資では、ダラー・ツリー店舗を32ヵ所で新開店、再ブランドで2ヵ所増やし、15店舗を閉鎖、6店舗を移転、ファミリー・ダラーは75ヵ所で新開店、再ブランドで1ヵ所減らし、14店舗を閉鎖、27店舗を移転した。期末の店舗数は、ダラー・ツリーが8,153ヵ所、ファミリー・ダラーが8,266ヵ所、全体で16,419店舗となる。

2023年度全体では300億ドルから305億ドルの売上、調整後1株あたりの利益で$5.73から$6.13を予測している。会員制倉庫型チェーン、ディスカウント・ストア、スーパーマーケットなどと共に、必需品を求めやすい価格で販売するダラー・チェーンも、インフレーション下では指示が高まる様である。昨日レポートした、企業評価のランキングにもそれが表れている。