5月 31, 2023 ファーニチャー・ストア ホーム・ファーニッシング 流通業 0

世界最大の家具と家庭雑貨のイケア(英語読みはアイケア)の、売上の9割ほどをあげ、最大のフランチャイジーであるインガ・グループ(Ingka Group)が、サプライ・チェーンのソフトウェア会社、メードフォーネット(Made4Net)を買収(金額は未公表)したとWSJが報じている。同社は、ニュージャージー州ティーネックに本拠を持つ、サプライ・チェーンのソリューション会社で、効率の高い倉庫とロジスティックスのシステムの会社である。社員200人ほどで運営されており、H&M, DH、ウーバーなども顧客に持っている。同社のソフトウェアは、来年から世界中のイケア店舗に導入される。

イケアは、コロナ・パンデミック前は、売上全体の7%ほどをオンラインで販売していたが、2022年には売上全体の1/4まで急増している。この買収によって、店舗と配送センターから送付される商品を、正確により早く配送してオンライン買物客に奉仕する。

インガ・グループは、ドイツ次いで大きいアメリカの市場を拡大するため、今後3年間で22億ドルを投資して、小型店9ヵ所を含み17ヵ所の新規開店を計画している。また、先月には、30億ドルを投資して、世界中の既存店舗とテクノロジーをアップグレード、顧客の買物経験を改善すると発表している。インガ・グループによる買収は、アメリカでは今回で3度目となり、2017年には、ギグ・ワーカーを雇用するマーケットプレースのタスクラビット(TaskRabbitt)を買収し、イケアの家具の組み立てなどを手伝う人の手配を簡単にできる様にした。2020年 には、3Dビジュアライゼーションのジオマジカル・ラブス(Geomagical Labs)を買収、仮想現実のテクノロジーで、自宅の部屋にイケアの家具を置いてみる機能を、同社のアプリに加えている。

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家具は嵩張るのでオンライン販売に向かないと言われているが、イケアの場合は、ほとんどの商品が組み立て家具で平たい箱に入っているため、配送がし易いのだろう。配達料は、玄関先に置かれる小型商品の$6から、家具を部屋まで届けてくれる$69+まで用意されている。迷路の店内をゆっくり楽しむのもいいが、時間がない時はオンライン購入は便利だと思われる。