ディスカウント・ストア・チェーン大手のターゲットは、10月28日で終わった2023年度第3四半期の業績を発表した。
ターゲット | 2023年度第3四半期 | 前年比増減 |
総売上 | $25,004 | -4.3% |
総収入 | $25,398 | -4.2% |
営業利益 | $1,317 | +28.9% |
純利益 | $971 | +36.3% |
1株あたり利益 | $2.10 | +36.3% |
既存店売上は4.9%減少し、デジタル売上は6.0%減少した。任意購入カテゴリーが減少し、必需品およびビューティー商品の増加が多少相殺した。即日サービスは8%以上増加、特にドライブ・アップは12%増加し人気だった。デジタル要因の販売は全体の16.8%となり前年比で0.3%減少した。フルフィルメントは97.7%が店舗で行われた。同社のレッドカードは、売上の18.3%を占め、前年比で1.3%減少した。店舗数は同期末で1,956店舗となっている。在庫額は前年同期より14%減っている。ホリデー商戦で新商品と値打ちをアピールするため、1万アイテム以上の新商品を追加、うち数千の商品は$25以下で揃えている。また、数千のアイテムはターゲットの専売商品となる。
第4四半期には、既存店売上で1桁の中間あたりで減少、1株あたりの利益で$1.90から$2.60を予測している。
この発表後、同社の株価は15%ほど上昇しており、投資家筋は、利益増加を評価している。
商務省国勢調査局が発表した2023年10月の小売売上高は、2023年9月から0.1%減少し、休日、営業日の違い及び季節を調整済み(価格変化は含まず)で7,050億ドル、前年比では2.5%の増加となった。2023年8月から10月までの3ヵ月間の合計額は、前年比3.1%増加、2023年8月から9月の変化は、0.7%増加から0.9%増加に改訂された。車と用品,ガソリン販売を除くと0.1%増加(前年比+3.5%)、フード・サービスを除く小売だけだと0.2%減少(+1.6%)となる。
販売チャネル別売上推移は次の通り:
販売チャネル | 2023 10月/9月 | 2023年/2022年 |
車と用品 | -1.0% | +3.3% |
家具と家庭雑貨 | -2.0% | -11.8% |
家電・電器製品 | +0.6% | +0.9% |
住宅資材とガーデン用品 | -0.3% | -5.6% |
食品と飲料 | +0.6% | +1.0% |
*グローサリー・ストア | +0.7% | +0.9% |
健康美容商品 | +1.1% | +9.6% |
ガソリン販売 | -0.3% | -7.5% |
衣料とアクセサリー | ±0.0% | +0.8% |
スポーツ用品・趣味・書籍・音楽 | -0.8% | -3.8% |
ジェネラル・マーチャンダイズ | -0.2% | +1.9% |
*百貨店 | -1.2% | -4.1% |
その他の雑貨チェーン | -1.7% | +1.2% |
無店舗販売 | +0.2% | +7.6% |
フード・サービス | +0.3% | +8.6% |
10月の小売高は。9月から多少減少した。前年比では3.1%増加だった。前年比で増加しているのは。車と用品、家電と電器製品、食品と飲料、健康美容商品、衣料とアクセサリー、ジェネラル・マーチャンダイズ、その他の雑貨チェーン、無店舗販売、フード・サービスである。前年比3.2%増加した10月の消費者物価指数を上回って売上が増加した販売チャネルは、車と用品、健康美容商品、無店舗販売、フード・サービスとなる。
先日レポートしたCNBC/NRFの傾向とほぼ変わらないが、家電と電器製品は増加、スポーツ用品とホビー減少と、それぞれ逆の結果となっている。現金払いまたは後払いのBNPL(Buy Now Pay Later)などの利用が増えている可能性がある。そうだとすると、消費者の家計が圧迫されている可能性がある。ニューヨーク連邦準備銀行によると、消費者世帯の2023年第3四半期の総負債額は1.3%増加、うちオートローンが相当増えており、クレジット・カードなどの負債は増えていない。ただ、遅延率が増えているそうである。