12月 3, 2023 流通業 経済 0

小売業の来店客数や顧客インサイツを調査するプレイサーaiが、2024年の小売業トレンドを発表している。詳細はかなりの量となるので、ここでは概略だけ紹介する。

  • 人気のイベントによる効果

人気歌手テイラー・スウィフトのエラズ・ツアー(時代を巡るツアー)が、クラフト・ショップのマイケルズの売上に貢献した。彼女が付けていたフレンドシップ・ブレスレットによって、同社のブレスレットが人気をよび、コンサートが開かれた地域では売り切れる人気となった。他にも映画バービーの大ヒットによるバービー・カラー(濃いピンク)のアパレル人気、人気スポーツ選手などが球場のある地域の小売ビジネスに与える影響などが分析されている。

  • 中古のアパレル小売業界盛況

最近人気が増しているこの業界は、2020年には前年比で20.1%、2022年は9.5%、それぞれ成長している。

  • プレースメーキング(Placemaking)

人々を中心に据えた街などのデザインをプレースメーキングと呼ぶが、このトレンドによって、ショッピング・センターなどのテナント・ミックスが変わってきている。ショップやレストランに加え、季節のイベント、娯楽など広い層の顧客にアピールする施設が増え、成功している。例えば、アリゾナ州フィニックスのパーク・セントラル・モールの来店客調査では、2022年から2023年で、客数が29.2%増加、滞在時間は69分から75分に増加した。7-イレブンは、カリフォルニア、コロラド、フロリダ、テキサスの諸州で電気自動車のチャージング・ネットワークを拡大している。これらの店舗では、2022年から2023年の来店客増加数が、カリフォルニアで12.4%、フロリダで6.4%、コロラドでは27.3%と急増、他の通常店舗では同期の平均が-0.6%から+1.4%だった。

  • 体験娯楽と外食

ゲン・コーリアン・BBQレストランは、今年6月に株式を上場している。焼肉レストランは顧客が自分達でグリルで焼くスタイルだが、アメリカでは珍しがられ、価格も安いことから流行ってきている。毎年2桁以上の来店客数の伸びを示している。他の体験型では、フィットネス・クラブ、自然愛好の娯楽などの人気が増している。

  • 昔の標準に回帰

コロナ・パンデミックによる人々の行動の変化が、少しずつ以前の状況に戻ってきている。例えば食品小売店などでの食品購入などでは、以前の様に夕方や週末の混雑が戻っている。リモート通勤も減っており、ほとんどの企業が最低週3日は事務所への出勤を求めている。この傾向が事務所街にあるレストランや小売業に与える影響は少なくない。

  • 小売業の郊外移動

コロナ・パンデミックによって始まった小売業の郊外移動は、以前の状態に戻らず続いている。例えばハンバーガー・チェーンのシェーク・シャックは、ダラス・フォートワース地域で、ドライブ・スルーのフォーマットを拡大している。同社の来店客数は、市街地の平均が3.8%減ったのに比べ、郊外店は42.5%増加している。郊外地域に多い富裕層の利用が増えたのも要因の一つだと見られる。郊外の住宅街のリバイバルも影響している。

  • 食品小売業の買収と合併(M&A)

2022年末に発表されたスーパーマーケット大手のクローガーとアルバートソンズの合併、2023年8月に発表されたアルディによるサウスイースタン・グローサーズの買収は、食品小売業界に大きな影響を与えている。中小では、カリフォルニアのカーデナス・マーケット、イリノイのトニーズ・フレッシュ・マーケット、アリゾナのロス・アルトス・ランチ・マーケットなどを買収したヘリテージ・グローサーズ・グループは、本体となるエル・ランチョ・スーパーメルカドウ店を含め、ヒスパニックとエスニックの食品小売として全米6州で57店舗のチェーンとなっている。

  • オフライン情報を活用したリテール・メディアの最適化

ここ数年重要性が増したリテール・メディア・ネットワークに、革新的な広告宣伝のプラットフォームが登場、2024年にはさらに重要性を増すと予測される。小売業では、デジタルと店舗を媒体として広告宣伝収入を得ているが、家電小売のベスト・バイが最近始めたセルフ・サービスのプラットフォームであるベスト・バイ・アドズは、広告会社や広告主が、宣伝広告の購入、計画、管理などを行え、リアルタイムで結果も知ることができる。現在のところほとんどがオンライン・メディアとなるが、店舗でのキャンペーンの結果などが加えられれば、さらに成長すると予測される。これらの情報によって、消費者のデモグラフィックや消費行動などの地域性を識別できると、ブランドにとっても価値が高くなる。例えば、同社の情報でフロリダ州の消費者は、ビデオ・ゲーム機所有者、マック使用者、アイフォン利用者が多いという結果が出ており、これらのブランドは、この地域に集中して宣伝することで効果が上がる。また、アンドイドの利用者は、フロリダ、テキサス、イリノイでは全米平均より少なく、カリフォルニアだけが多い。アンドロイドのブランドは、カリフォルニアに宣伝を集中することで効果を上げられる。

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