4月 13, 2024 フードサービス フード・デリバリー 流通業 0

複数のコンセプトのメニューを1ヵ所のキッチンで料理して提供する、所謂「ゴースト・キッチン」は、店内での飲食がほぼ禁止されたコロナ・パンデミック時に出現し、その便利さで急速に広まった。セレブの名前を使ったブランドも、マライア・ケリーのクッキー、ジョージ・ロペスのタコスなどが登場した。新しいベンチャーとして投資も集まり、多くの起業が起こった。スーパーマーケット・チェーン大手のクローガーは、ゴースト・キッチンを自社の店舗内に導入、ファースト・フード・チェーン大手のウェンディーズは、2021年に700ヵ所の配達専用の店舗を開店すると発表した。商業不動産会社のCBREは、この急成長のコンセプトが、2025年までにはレストランの売上の21%を占めるだろうと予測した。

ところが、消費者はパンデミックの終了とともにレストランでの飲食を急に増やし、クローガーのゴースト・キッチンは昨年閉鎖、ウェンディーズの計画も変更になった。フードサービス業界のアナリストは、ゴースト・キッチンには顧客とのつながりがなく、魅力に欠けると分析している。また、チリズ・グリル&バーとマジアノス・リトル・イタリー・レストラン・チェーンを経営する、ブリンカー・インターナショナルは、昨年、バーチュアル・ブランドとして「ジャスト・ウィング」と「マジアノス・イタリアン・クラシックス」を開発したが、一部のメニューの人気が高すぎ、レストランのキッチンが間に合わなくなったため、ジュスト・ウィングだけに絞り込んでいる。配達注文が、レストランの繁忙時間と重なる事が要因だった。

フード・デリバリーを扱う、ドア・ダッシュやウーバー・イーツも、運営や品質の問題などで、昨年8,000ヵ所以上のバーチュアル・レストランの扱いを停止している。

それでも一部のレストランのバーチュアル・ブランドは成長している。子供のパーティなどでよく利用される。チャックE・チーズは、パンデミック中にプスクワリズ・ピザ&ウィングスのブランドを配達用に開発した。メニューは大人用で、顧客の対象を拡大する事に成功した。元々ピザ・チェーンである彼らにとって、メニューの拡大に過ぎず、運営上の問題もないと、同社CEOのデービッド・」マキリップスは述べている。デニーズでも、バーチュアル・ブランドとして、「バーガー・デン」、「メルトダウン」を配達用に運営しており、最近「バンダ・ブリート」も加えている。24時間営業のデニーズの中心顧客は、年配層が多く、バーチュアル・ブランドの配達を注文するのは、若い層が多いため、キッチンの繁忙時間があまり重ならないのもメリットだと、同社CEOのケリー・バレイドは述べている。

ゴースト・キッチンは、その業界規模は別にしても、パンデミックで登場した一過性の流行りだけでは無く、今後も進化した形で残る様である。ニューヨーク・タイムス